印刷物や映像制作に比べて、ホームページ作成はより専門的な知識が必要であったり、発注側のチェックすべき点も膨大になる傾向があります。
そうした業務のやりとりの中で、作成会社に対する不満や不信が生じることも少なくありません。
ここでは、ホームページ作成会社とのつきあい方において、気をつけたいポイントを紹介します。
1. 専門用語がわかりにくい
企業でホームページを担当するのは、宣伝・広報・販売促進(営業)といった部署の方々が多いと思います。
そうした方々にとって、Webサイトの制作に関連する知識はたいして必要ではありません。
htmlやcss、システム構築など技術に関する専門用語など、ホームページ作成会社に都度レクチュアを受ければ十分です。
一方、マーケティングに関する知識はしっかり身につけておくにこしたことはありません。
これは、他のメディアを使う場合と同様で、宣伝・広報・販売促進(営業)といった部署の業務の本質だからです。
例えば、検索エンジン対策はテクニカルな要素も多々ありますが、自社ホームページのPR活動の一環です。
より効率よくPRするという視点で考えれば、専門用語や最新トレンドを常にチェックしておく必要性もご理解いただけるかと思います。
2. 費用が割高に感じる
ちょっとした修正を依頼しただけで見積がン十万!?
ホームページ作成会社とのやりとりで、こんな思いをした方もけっこう多いのでは?
悪徳業者は別として、ホームページ作成会社の見積をチェックする際は、単価と工数とを分けて考えると理解しやすいと思います。
単価はその会社によってかなり幅がありますが、例えばバナーを1点作成する作業の手間は、どこに依頼してもそれほど違いはありません。
従って、作成会社からの見積が高いと思った時も、工数が多い場合はその作業内容について、具体的な説明を求めるのが正解です。
反対に、単価が高いと思われる場合、作成会社を変えることも含めて検討する必要があります。
3. 作成会社を変えたい
ホームページ作成会社を変える場合、一般的に注意しておきたいポイントは3つあります。
マニュアルはあるか?
一定規模以上のホームページでは、Webサイト構築時にデザインや更新作業に関するマニュアルを作ります。
これも予算に計上されているはずなので、マニュアルがある場合、新しい作成会社に引き継ぐのもさほど支障は出ないでしょう。
一方、マニュアルがない場合、新しい作成会社がWebサーバを見て、サイトの構造などを一通りチェックしないと、どこをどうやって更新すればよいかすら、わからないということもあり得ます。
サーバを変えることができるか?
ECサイトやCMSなど、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)として提供されているサービスを利用している場合、そのまま別な作成会社のサーバへ移すことが困難な場合があります。
また、コンテンツ自体の移設はできる場合でも、プログラムやデータベースを利用しているホームページでは、新しいサーバ環境でのセットアップや検証作業が必要となるケースもあるため、しっかりと事前見積をとっておく必要があります。
コンテンツの元ファイルはあるか?
ホームページ自体もリニューアルする場合はいいのですが、コンテンツはそのままで作成会社を変える時は、サーバ上のコンテンツの他に、制作作業で使用した元ファイルがあるかも確認する必要があります。
PhotoshopのPSDファイルやFireworksのPNGファイル、FlashのFLAファイルなどがそれにあたります。
作成会社によっては納品物に含まれないケースもあるので、できるだけ発注時に確認をしておきましょう。
4. 制作工程の各チェックポイントは?
ホームページの制作工程でチェックするポイントとして、もっとも重視すべき点に絞って3つほど紹介します。
企画の目的や目標は間違っていないか?
企業のホームページは、明確な目的や目標をもって企画運営する必要があり、Webサイトをつくること自体が目的になってはいけません。
例えば、新しい技術やツールを採用することが目的となってしまうことがないよう、企画段階でしっかりチェックしておきましょう。
ワイヤーフレームで完成イメージを共有できているか?
各ページを実際にデザインする前に、一般的にはワイヤーフレームという、構成要素を並べた資料を作成会社から提示されると思います。
ある種、ホームページの設計図のようなものなので、デザインされた資料ではないため、完成イメージがしにくい面はありますが、ノーチェックで進めてしまってはいけません。
テストアップ時に重視すべきチェックポイントは?
誤字脱字やブラウザ表示が正しいかももちろん大切ですが、もっとも重要な点は、アクセスユーザーの視点でチェックするということです。
ホームページ作成会社は、Webサイト制作の専門家であり、それなりの知識やノウハウを持っていますが、その分、ライトなネットユーザーの視点に欠けるような面もあります。
企業ホームページの担当としては、エンドユーザーのマインドを理解して、作成会社をディレクションすることが重要なのです。