ホームページにアクセスするユーザー目線で見た場合、コンテンツの見直しポイントは、企画・構成やデザインにあります。
ここでいうデザインには、使いやすさといった機能的な意味も含まれます。

1. ネットに適した構造、構成になっているか?

会社案内や商品カタログなど、印刷物の要素を流用してホームページを作成するケースは多々あると思います。
その際にもっとも気をつけたいのが、紙とインターネットのメディア特性の違いです。
どちらもページという単位で構成されていますが、ホームページの場合、見る側の画面サイズによって、一度に表示される要素が異なります。
ページの下の方に結論が書かれている印刷物を流用する場合、ホームページでは再構成して、極力ページの上部で結論を見せる方が、見る側にいいたいことが伝わる可能性が高くなります。

また、印刷物では見開きで構成されている要素を、ホームページでは単純に縦にレイアウトしてしまうと、意図が伝わらないこともあります。
その場合は、ページの上部で概要を見せてから、ページ内リンクのサブメニューを設置するなどして、コンテンツの全体像を把握しやすくする工夫も必要です。

2. 文字要素は十分あるか?

ホームページの構成や文章で気をつけたいのが、ページ単位である程度情報が完結するように作成するということです。
例えば、印刷物では「前のページで紹介したように~」といった表現を使うことがあり、ホームページでもリンクを貼ればよいと考えるかもしれません。

しかし、ホームページを見るユーザーは、作成意図通りの順番でページを見るとは限りません。
詳細な説明は別のページでするとしても、ページを移動する前に概要程度は伝わるように構成する必要があるわけです。
そういった意味では、ホームページでは意図的に複数ページで重複する内容を盛り込むことも重要で、必然的にページ単位での文字要素は多めになる傾向があります。

検索エンジン対策としても、1ページあたり800~1200字程度のテキストがある方がよいともいわれています。

3. 文字要素を画像にしていないか?

ホームページのデザインによっては、見出しの文字を画像で構成する場合もあるでしょう。
これを全否定するものではありませんが、必然性がない限り、文字要素はテキストで記述するデザインの方が、検索エンジン対策には向いています。

文章で説明するより、写真や図版といったビジュアル要素で表現する方が、インパクトも強く、意図が伝わるケースも多々あります。
そうした場合でも、画像を説明する文章を補足しておいた方がよいでしょう。
ブラウザで見えるように、画像のそばに文章をレイアウトする方法もありますし、ブラウザでは見えませんが、画像にはALTという説明文章を記述するタグがあります。
ブラウザの「ソースを表示」というメニューを使うと、テキストエディタでホームページのhtmlを参照することができるので、御社のホームページにちゃんとALTが記述されているかもチェックしておく必要があります。

4. 見た目がプアな印象になっていないか?

ホームページを立ち上げた時には、キレイによくまとまったトップページだったのに、更新を繰り返すうちに、変にゴチャゴチャしたまとまりないのないデザインになってしまった……。
こんなWebサイトもよく見かけます。

特にトップページの運用は、新着情報なバナーなど、目立たせたい要素が後から後から追加されて、結局はどれを目立たせたいのかがわからない状態になって、見た目の印象が悪くなってしまいます。
見た目のよさが最優先ではありませんが、企業イメージを損ねるようなトップページでは意味がありません。
多様な要素をバランスよくレイアウトするには、定期的にデザインの見直しが必要です。

5. 冗長な動画などを使っていないか?

最近はだいぶ減ってきたようですが、トップページのメインビジュアルが大きく、動きがあるような場合、以下に回線が速くなっても冗長な印象を与えます。
こうした要素が、その企業や商品のアピールになるならまだしも、多くの場合はユーザーにとって負担でしかありません。
動画視聴が当たり前の時代とはいえ、一般的な企業サイトでリッチコンテンツを盛り込もうというのは逆効果になりかねず、多くのユーザーは求めている情報にすぐアクセスできるという点を評価するものです。

ホームページのデザインによっては、見出しの文字を画像で構成する場合もあるでしょう。